![]() ジョイント・ストライク・ファイター初飛行
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米3軍と英海軍が共同開発中のSTOVL戦闘機、ジョイント・ストライク・ファイター(JSF)は、ボーイング社とロッキード社が競争で開発をすすめているが、去る9月18日まずボーイング社の試作機が初飛行した。 同機はX-32Aと呼ばれ、20分間の飛行でボーイング社のカリフォルニア州パームデール工場から50km離れた米空軍のエドワード基地へテスト飛行を兼ねて移動した。 この概念実証機は2機製作されるが、初飛行した1号機は空軍向けの形状で、通常の滑走離着陸をするCTOL機。次の2号機は海軍向けのSTOVL機で短い滑走で離陸し、垂直に着陸できる。このSTOVL型X-32Bは来年春までに飛ぶ予定。 他方ロッキード社でも同じ要求仕様で、X-35ACTOL機とX-35BSTOVL機を製作中。これらがいつ飛ぶのかは明らかにされていないが、おそらくこの10月中にも初飛行するもよう。この場合、最初に飛ぶのはCTOL型のX-35A。つづいて空母搭載型のX-35Cが飛び、のちにX-35AがSTOVL型のX-35Bに改造される。X-35Cは水平尾翼とフラペロンが大きい。
これら2機ずつの概念実証機は、今後約1年間の飛行試験を経て、2001年後半、おそらくは9月頃にもどちらかが選定される予定。 このうちボーイング社のSTOVL機はエンジンの噴射を下方に曲げて垂直方向の推力を得る仕組みだが、ロッキード社のそれはエンジン噴射のほかにリフトファンを回して垂直方向の推力を得る。そのため垂直方向の推力に関しては同じエンジン出力でロッキード社の方が大きくて有利という見方が多い。 今後の試験飛行では低速時の操作性、短距離離陸と垂直着陸(STOVL)、そして各軍の要求する多用途性を実証することになっており、この中には空母での発着も含まれる。また2種類の派生型の間の共通性も高くなければならず、X-32AはB型に先行して各装備系統、操作性、操縦系統ソフトウェアの有効性を確認することになっている。試験飛行時間はA型が約100時間、B型が80時間の予定。
こうしたJSFは、CTOL機が空軍の現用F-16戦闘機、STOVL機が海軍のF/A-18戦闘機、海兵隊のAV-8Vハリア、英海軍のシーハリアに取って代わる予定である。これにより米3軍だけでも約2,852機、1,500〜2,200億ドルの調達になるものと見られている。したがって2001年後半にも、どちらか選定された方に最大2,200億ドル(22兆円)の契約が決まる予定。 さらに米英両国以外の国からも注文が期待できるところから、最終的には少なくとも3,000機以上、多ければ6,000機の生産が期待され、金額は5,000億ドルにも達する。JSFプロジェクトが史上最大の軍用機計画といわれるゆえんである。
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初飛行の詳細――X-32Aは9月18日午前7時53分、カリフォルニア州パームデールのボーイング社工場で初めての飛行にのぞんだ。速度およそ130ktで操縦桿を引き起こし、150〜155ktで離昇したが、そこまでの滑走距離は2,200〜2,500フィートであった。テスト・パイロットはこのときのもようを、過去何年間もシミュレーターで訓練してきた感覚と変わらなかったと語っている。 X-32Aはそれから高度10,000 フィートまで上昇、速度200 ktに達した。降着装置は出したままであった。 飛行時間は30〜40分の予定だったが、実際は 20 分で終了し、パームデールから北東へ50kmほど離れたエドワーズ空軍基地へ着陸した。この移動は計画通りだが、飛行時間が短縮されたのはウェポンベイの前方から油圧液のもれが生じたため。原因は圧力変換器のOリングのゆるみで、着陸後ただちに修理され、試験飛行の日程には全く影響していない。 同機は9月23日2度目の飛行をした。高度10,000フィートまで上昇し、飛行は50分間にわたってつづけられた。この飛行は当初、初飛行から3日目におこなわれる計画だったが、強風のために2日遅れとなったもの。 なおX-32Aは米空軍と海軍の戦術戦闘機としてCTOL飛行特性を実証、2号機X-32BはSTOVL機として海兵隊と英海軍の要求する垂直飛行特性を実証することになっている。このためX-32Aはエドワーズ空軍基地で飛行をつづけるが、X-32Bはメリーランド州パタクセントリバーの海軍航空基地に移って試験をおこなう。 (DMB、2000.10.3)
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